■破局・人類絶滅・小天体衝突〜破局からの再出発

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2004年11月16日更新

●「世界の終わり」(1930、アベル・ガンス監督、仏映画)
 彗星が地球に衝突し、天候異変で人類は滅亡するとの予測に、地球上はパニック状態になるが・・・。1)

●「地球最後の日」(1932、フィリップ・ワイリー、エドウィン・バーマー、創元SF文庫、映画版:1951、米パラマウント映画)
 二つの放浪惑星が地球に接近。大型惑星が地球に衝突することが判明。科学者グループは秘密裏に地球と同サイズの放浪惑星に移住するための原子力ロケットを建造しようとするが、エンジン用耐熱材料が見つからない。放浪惑星の最初の接近時に、巨大な津波と激しい地震・火山活動によって地球は壊滅的な被害を受ける。
 1951年に映画化『地球最后の日』

●『世界大洪水』(1933、KBS製作、米映画)
 ニューヨークが有史以来の大地震、大津波に襲われ、人類が絶滅する。山岳にいて奇跡的に助かった数人の男女の生活が始まる・・・。

=>generalworks

●「渚にて」(1959、On the Beach、ネヴィル・シュート原作、「人類最後の日」)
 1960年にスタンリー・クレイマー監督、グレゴリー・ペック主演で映画化されたものが有名だが、2000年のリメイク版(邦題「エンド・オブ・ザ・ワールド」)もまずまずの出来。
 後者によれば、米中対立により核戦争が勃発。北半球は放射能で壊滅し、南半球のオーストラリアにも放射能が忍び寄る。生き延びた米原潜<スコーピオン号>がメルボルンに到着するが、アラスカ・アンカレッジから謎のEメールが・・・。核戦争によって北極圏にオゾンホールができ、それによって放射能濃度が低下しているかも知れないという学説を一縷の望みにして、原潜が向かう・・・。
=>wad's 映画メモ

●「ついらくした月」(1967?、ロバート・セドリック・シエリフ(シェリフ)、<エスエフ>世界の名作21/SFこども図書館21(岩崎書店))
=>ついらくした月
=>ついらくした月

●「リュウの道」**(1969, 石ノ森章太郎、1995、竹書房文庫、全5巻)西村屋選
 1969年より連載。地球が多数の小天体衝突に見舞われ、それを誤認して始まった核戦争とも相まって、地球に<大異変>が起こった後の世界。密航により冷凍睡眠のまま恒星間飛行から地球に帰ってきた少年リュウは、やはり星間飛行から地球に戻ったマリアたちと文明を探す旅に出る・・・。
 銀河系内の星間物質が小天体衝突を介して、生物絶滅だけでなく新たな生物進化をもたらしているかもしれないという仮説が登場する。

●「未来少年コナン」(1970、アレグザンダー・ケイ、The Incredible Tide、残された人々、岩崎書店、角川文庫)/(1978、NHKアニメ)西村屋選
 2028年、世界の半分を支配する<平和同盟>は、防御スクリーンに対抗できる磁力兵器を使用。これによって地軸が狂い、大地震とそれによる大津波が頻発する<大異変>が起きてしまう。その20年後、残され島に不時着した宇宙船の生き残りであるコナンとおじいさん。ハイハイバーのラナ、ブライアック=ラウ博士、レプカ局長、モンスリー、インダストリア、
=>未来少年コナン(Thouthern Islandより)
=>未来少年コナン(Okkunさんのサイトより)
=>未来少年コナンなかやまらいでんの秘密基地より)

絶版本を投票で復刊!(コミックス、久松文雄)

●「ブルーシティー(1976、星野之宣、JUMP SUPER COMIC、オゾン層が破壊されて海面が30m上昇)西村屋選星野之宣

●「悪魔のハンマー」(1977、ラリー・ニーヴン&ジェリー・パーネル、ハヤカ文庫)
 ハムナー・ブラウン彗星の衝突とその後の核の冬において、生存し続けるだけでなく、科学技術などの人類の資産を残す難しさと大切さを問う作品。彗星発見者で大金持ちのティモシー・ハムナー、鉛管設備会社の副支配人のアイリーン、TVプロデューサのハーヴェイ・ランドル、郵便配達人ハリー、上院議員で大牧場主のジェリソンと娘のモーリン、NASA/JPLの技術スタッフのダン・フォレスター、原子力発電所の技師長のバリー・プライスほか実に大勢の人間模様が書き込まれている。厳しくも希望を与えてくれる秀作。
 人類の祖先は容易に採取できる資源を利用して文明を築くことができた。高度の技術でしか資源を採取できなくなってしまった現代において、一度文明を失ってしまうと、それを再建するうえで高度の科学技術をどうやって残し、引き継いでいくかについて考えさせられる。西村屋選

●「エデンの戦士(1978.3、田中光二、角川文庫)=田中光二の地球・海洋SF

●「メテオ」(1979、米ヘラルド映画)
 ショーン・コネリー、ヘンリー・フォンダ出演。巨大隕石群が1ヶ月後に地球に衝突する。米ソの武装人工衛星による阻止行動も大国間のエゴによって行われず・・・。

●「シヴァ神降臨」(1980、グレゴリー・ベンフォード&ウィリアム・ロツラー、ハヤカワ文庫)=グレゴリー・ベンフォード

●「宇宙戦士バルディオス」(1980-81、TVアニメ)New
=>マリンランド(宇宙戦士バルディオスを応援するページ)

絶版本を投票で復刊!

●「風の谷のナウシカ」**(1982-1994、宮崎 駿、アニメージュコミックス ワイド版、全7巻)西村屋選
 「炎の7日間」という戦争によって地表のほとんどが不毛の地と化す。「酸の海」を除いて有毒な瘴気を出す巨大な菌類の森「腐海」が広がる。
動物:王蟲(オーム)、大王ヤンマ、キツネリス、地蟲、羽蟲、翅蟲、管蟲、ヘビケラ、毛長牛、トリウマ、バカガラス、ミノネズミ、ウシアブ。
菌類:ムシゴヤシの木、ヒソクサリ(猛毒)、巨大化する粘菌の変成体。
「大海嘯」:腐海が突如沸き返り津波のように押し寄せてくる現象。

=>風使い工房HomePage
=>風の谷のナウシカ「風の心」

●「ガラパゴスの箱船」(1985、カート・ヴォネガット、早川書房)
 世界恐慌と戦争と遺伝子病のため、ガラパゴス島に漂着した何人かの男女が唯一生き残り、百万年もの間に新たな進化を遂げる話。地球科学の点では特記する点はない。

●「ネメシス」(1989、アイザック・アシモフ、ハヤカワ文庫)
 地球から2光年の距離に発見され、5000年後には太陽系内を通過する赤色矮星「ネメシス」、その巨大惑星「メガス」の衛星「エリスロ」と、それを周回する人工の植民衛星「ローター」が舞台。
 アルバレツ父子が恐竜絶滅の原因として唱えた彗星衝突説では、太陽の伴星がオールト雲を撹乱して彗星の嵐を2600万年周期で引き起こすとしている。本書はその伴星「ネメシス」にちなんでいる。地球科学の点では特記する点はない。

●「クライシス2050」**(1990、日米映画、ノベライズ版:ジョー・ギャノン、テッド・サラフィアン、集英社文庫)
 えっ、チャールトン・ヘストン出演?。2049年、潮流発電やソーラー・システムの成功により、地球温暖化による平均気温の上昇は2度Cにくい止められた。宇宙ステーションでは新素材や医薬品の研究が進められ、食糧危機は乗り越えられた。
 ところが2050年、太陽が膨張を始め、地球は磁気と放射線の嵐に見舞われる。巨大黒点の出現で竜巻の頻発、富士山やキラウエア火山など火山噴火の群発、南極で気温20度Cまで昇温。
 太陽は地球表面と同程度の1〜2ガウスの弱い磁場のほか、黒点周辺に2000〜4000ガウスの強い磁場が存在。輻射層から対流層、彩層まで合計60万キロ近い距離を20万〜30万ガウスの巨大磁束管が貫くことによって、コアの異変が光球面に直結しているのだ。
 アステロイド・ベルトにある宇宙工場<ニュートリニティー>で建造された半物質爆弾<フレディー>を宇宙船<ヘリオス>で運び、プローブ・シップ<ラー号>で太陽黒点の一つからコアに到達させ、水素の循環を阻害している巨大磁束管の巣を破壊し、太陽を正常化しようとする。一方、食糧難を利用して急成長したアイエクセル社は・・・。
 <ラー号>はバリウム=イットリウム超伝導合金のコイルでプラズマをシールド、重水素=ヘリウム3反応のプラズマ・エンジンで推進、レーザー波とニュートリノで通信・映像化する。
・コロナ領域(数百万km)
・スピキュール(直径200〜300m)、プロミネンス(紅炎、高さ3万km)がある彩層(厚さ2000km、6000度ケルビン)
・黒点、粒状斑(直径400〜4000km)のある光球面
・対流層(厚さ20万km、200万度ケルビン)
・輻射層
・コア(1500万度ケルビン)
=>太陽(The Sun)

●「ブルーホール(1992-93、星野之宣、ミスターマガジンKCデラック、講談社)西村屋選星野之宣の地球・海洋SF

●「神の鉄槌(1993、アーサーC.クラーク、ハヤカワ文庫)=アーサー C.クラークの地球・海洋SF

●「さよならダイノサウルス」(1994、ロバート・J・ソウヤー、ハヤカワ文庫)
  星雲賞受賞。古生物学者で恐竜研究家のブランドン・サッカレイ博士(ブランディ)と地質学者のマイルズ・ジョーダン教授(クリックス)は、チン=メイ・ファンが発明したタイムマシン<チャールズ・ヘイゼリアス・スターンバーク号>で6500万年前に突然恐竜が絶滅した謎に挑む。ところがそこで出会ったのは、半分になった重力、2つ目の月、話す『トロエドン』だった・・・。

●「ウォーターワールド」**(1995、米ユニバーサル映画。小説版は、マックス・アラン・コリンズ、徳間書店)
 ケビン・コスナー主演。地球温暖化の進行によって陸地の大部分が水没した後の世界。人々は陸地の存在を知ることなく、スクラップを寄せ集めた浮遊都市で暮らしていた。幻の陸地への地図が印されている少女を巡って、流れ者で両棲人の主人公と海賊どもが戦う・・・。
 200m以上の海面上昇なので、白亜紀の頃のようなスーポーホットプルームの上昇が伺われる。

●「ブルーワールド(1996-98、星野之宣)西村屋選星野之宣の地球・海洋SF

●「ディープインパクト」(1998、映画)
 彗星が大西洋に落下した時の津波発生がリアルに描かれている。小天体衝突もので、これだけ大きなサイズのものが実際に地球にぶつかるリアルな映像は、かつてない。
=>generalworks

●「アルマゲドン」**(1998、映画、小説版:M.C.ボーリン、竹書房文庫)
 世界で最もついていない男、ブルース・ウィルスが、この映画でも・・・。
 最大の小惑星セレスを上回るテキサス州サイズ(推定体積:965億立方m)の小惑星が、なぜ地球への衝突18日前まで見つからなかったのか? 西村屋の推測としては、太陽系外から双曲線軌道で、それも太陽の方向からやってきたために発見が遅れたのであろう。小説版では既存の小惑星が彗星に軌道を乱されたことになっている。そのくせ「ドティ」と命名しているのは矛盾。
 これまでまったく陽の目を浴びてこなかった海底石油掘削で働く男たちが、突然、人類を救うヒーローになるところが、海洋開発関係者としてうれしい。小天体での掘削作業は、掘削作業監督(ツール・プッシャー)、地質専門家、エンジニア、油井採掘作業員(ラフネック)の4人が2チームで行われる。
=>generalworks

●「天空の劫罰」**(1998、NEMESIS、ビル・ネイピア、新潮文庫)
 作者のネイピアは北アイルランドのアーマー天文台の現役天文学者。彗星を発見した同僚が、彼の名にちなんで<ネイピア7096>と命名している。
 6ヶ月前にロシアが打ち上げた火星向けの有人宇宙船フォボス5号の交信記録に暗号が隠されており、実は打ち上げ時に10メガトンの水素爆弾が搭載されているとの情報がもたらされる。小惑星の軌道を変えて米国に衝突させようとしているとの推測により、NATO陣営の最高の頭脳たちが集められ、その未発見の小惑星<ネメシス>の探索と軌道修正のためのシャトル打ち上げ準備を開始した。
 ベータ・メーザーによる小惑星の熱伝導度計測、ROSAT(X線源サーベイ用衛星)、IRAS(赤外線天文衛星)による小惑星の軌道を変えるための核爆発の探知、ORICS衛星と潜水艦との間のブルー・グリーン・レーザー通信などが登場する。
 これまで小天体衝突物といえば衝突回避のための宇宙ミッション、若しくは、衝突前後のパニック物だったが、本作品は、そのどちらでもない推理サスペンスである。

●「ダイナソー」(2001、フル3D-CGのディズニー作品)
 6500万年前の小天体衝突による環境変動の中で、幻の楽園を目指して過酷な旅に就く恐竜たちの物語。

●「蛇神降臨記」(2001、スティーヴ・オルテン、文藝春秋、文芸文庫2003)=スティーヴ・オルテン

●「7 SEEDS」(2002〜7、田村由美、小学館FLOWER COMICS、第10巻まで発売中)New
 小天体が地球を襲う。人類を存続させるため、日本政府は1人のガイドと7人の青年男女を一組とし、春、夏AB、秋、冬の5組に分けて日本各地に冷凍冬眠させ、7つの地方富士(雌阿寒岳、荻野富士/経ケ岳、豊後富士/赤富士/由布岳、神戸富士/再度山、・・・)に救援物資を貯蔵する。目覚めた若者たちは・・・。
登場人物(特技)

春のチーム(東京):末黒野 花17(東京出身、サバイバル技術、元水泳部)、甘茶 藤子17(茨城出身、T大医学部志望、宇宙飛行士志望)、角又 万作18(弓道、座禅)、雪間 ハル16(東京出身、国際級ピアニスト)、野火 桃太郎12(のび太君、仙台出身、神童、博物学)、鯛網 ちさ18(金沢出身、薙刀)、新草 ひばり(冬眠中)、ガイド:柳 踏青(おっさん、元自衛官)

夏のAチーム(九州南部):安吾(注意深い。水C・火C)、茂(記憶力、水C・火C)、小瑠璃(気象、モールス、天然パーマ、風C・医療C)、繭(地質学)、(問題児、火C・水C)、源五郎(動物の飼育、動物C・植物C)、あゆ/マドンナ(農業、料理、植物C)、(ばん、医療C)、虹子(孤高、用心深い、土C・植物C)、のばら、くりくり同盟[雹(サブ・チーフ、動物C)、鵜飼(火C)、あかざ、草矢(記憶力ではトップクラス)]、日雀、”ちゃっかり四重士”、ガイド:卯浪、その他:要先輩(選考メンバーの世話係、7SEEDSプロジェクトの企画、音楽が趣味)、貴士先生(冷凍睡眠装置の開発チーム)、美帆、花、動物:青葉(熊)、端午(虎)、競渡(馬)、ジリ(猿)、牛

夏のBチーム(九州北部):天道 まつり16(家出娘、農業)、守宮 ちまき(熊本出身、美大1年、絵画・彫刻)、草刈 螢12(巫女、天気予測、カンがいい)、百舌(?)、岩清水 ナツ16(埼玉出身、気が弱い)、青田 嵐17(東京出身、元水泳部、傷害事件歴あり)、麻井 蝉丸18(不良)、ガイド:早乙女 牡丹(元警察官)

秋のチーム(神戸):猪垣 蘭(お蘭。設計技師? 語学堪能)、稲架 秋ヲ(企業家?)、刈田 葉月(オリンピック級柔道家)、鹿野 くるみ(牧畜? 耳が凄くいい)、荻原 流星(パラグライダー選手? 軽薄)、梨本 茜(海女? 霊を視る人)、八巻 朔也(法律家?)、ガイド:十六夜 良夜(なりたての消防士)

冬のチーム(北海道):枯園 睦月(大1)、荒巻 鷹弘(高2、ピッチャー)、鮫島 吹雪(ショート)、神楽坂 美鶴(日本舞踏界のホープ)、柴漬 アラレ(化学)、綾取 風花(服飾)、室咲 冬至(農業)、ガイド:熊川 冴

●「スタートレック・ボイジャー」のあるエピソード
 その爬虫類人類は地球の恐竜(ハロザウルス)が進化、ついには惑星間飛行をなしとげ別の天体にも文明を築いた。そののち地球の祖先はほろび、自分たちが別の惑星からきたということも記憶から失われた。
 あるとき、爬虫類人類の考古学者が遺跡からその痕跡を発見し、その学者とボイジャーのメンバーがからんで・・・という話だったと思います。
 学者の説は時の権力者に否定され、「それでも我々は地球から来たんだ・・・」とつぶやくところがなんとも。爬虫類人類から見た視点、地球人から見た視点が交錯して見ごたえのあるエピソードでした。(by 片見さん)


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