■気候変動、海面上昇SF

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2004年6月13日更新

●「海竜めざめる(1958、"The Kraken Waken"、ジョン・ウインダム、ハヤカワ文庫SF、星新一訳、グリーンランドや南極の氷床の崩壊による海面上昇が描かれている)=海洋モンスター

●「第四間氷期」(1959、安部公房、新潮文庫)西村屋選
 ソ連が予言機械<<モスクワ1号>>を開発。素晴らしく正確な天気予報、次にさまざまな経済予測を始め、ことごとく的中していった。それに対抗して、日本の中央計算技術研究所は<>を開発。力試しに、水に漬けた豆がモヤシになるまでを見事に再現する。その矢先、今後は<<モスクワ2号>>が完成し、1984年頃に最後の資本主義社会が没落すると予言する。
 地球温暖化によって世界は水没し、人類は人体改造して水中の中で生きのびるという過酷な未来が予測される・・・。

●『地球の危機』(1961, 映画)=アーヴィン・アレン

●「沈んだ世界」(1962、J・G・バラード、創元SF文庫)
 太陽活動の異常が引き金となって気温上昇、氷床の崩壊、海面上昇が引き起こされ、赤道の気温が82度Cにもなり、世界の大都市のほとんどが海面下に沈んだ世界を描いた作品。毎年2〜3度ずつの気温上昇によって、生態系が急速に変化を遂げる中で人類自身はどうなるのか・・・。

●「天候改造オペレーション」**(1966、ベン・ボーヴァ、創元推理文庫)西村屋選
 世界最初の深海採鉱会社「ソーントン・パシフィック・エンタープライズ社」や大陸間ロケット交通網「ソーントン・エアロスペース社」を経営するソーントン家一族。中部太平洋1万8千フィート(5486 m)の海域で採鉱ドレッジ船が嵐に直撃され、2人が行方不明となる。ボストンの気候学研究所(米気象庁の一部)の一部の研究者が従来の統計的手法ではなく乱流方程式をコンピュータで解く研究を行っていた。ソーントンと研究者は「イーアラス・リサーチ社」("イーアラス"はギリシア語で風の神様)を設立し、気象予測ビジネスに乗り出す。2週間先の地域別の正確な予報を開始、さらに天候制御の研究を進める。
 ニューイングランド地方を襲った長期旱魃の解消に成功するが、天候制御については失敗した時の責任問題からなかなか許可されない。発達前の熱帯低気圧を消す<サンダー計画>(Threatening HUrricane Neutralization DEstruction and Recording)が許可され、強大化し米本土を襲う可能性の大きいハリケーンの抹消を開始する。しかし、同時発生した4つの熱帯低気圧のうち3つの抹消には成功するが、残る一つが強大なハリケーン・オメガに発達・・・。
 初のスーパーコンピュータ<クレイ>が開発される10年前の作品であるにもかかわらず、ワシントン、ボストン、ニューヨーク各支社及びMITの「スーパーコンピュータ」を接続して一つのコンピュータとするアイデアが登場する。  観測は、気象衛星、巨大な無人気象観測機<ドロームデアリー>(単峰ラクダの意味。6基のターボ・プロップ・エンジン、3日間の連続自動飛行が可能)、潜水艦で実施。気候制御は、静止軌道にある宇宙ステーション<アトランティック・ステーション>と6個の軍事衛星からのレーザー(十億ジュール規模)による大気加熱、<ドロームデアリー>ほか航空機からの化学薬品や降雨剤の散布による。
 なんと<CUSS-5号>が最初にモホール掘削を行った掘削船として登場する。1961年、米国の石油掘削船<CUSS-1号>が改造され、モホ面(モホロビチッチ境界面。地殻とマントルの境界)まで孔を掘る「モホール計画」が試みられた。カリフォルニア沖で実施されたが、わずか171mの柱状試料を得るだけに終わっている。
 ほか、時速400マイル(644 km/h)の圧縮空気列車、ヘリキャブ(ヘリ・タクシー)が登場。

●「太陽惑星イカルス(1975、星野之宣、週刊少年ジャンプ、大気汚染による気温低下で疑似氷河期となった地球が舞台。)=星野之宣

●「巨人たちの伝説(1977、週刊少年ジャンプ、古代第4氷河期の時代と、再び氷河期を迎えた地球が舞台)=星野之宣

●「気象の陰謀(新しい氷河時代の到来)」(1977、インパクト・チーム、早川書房)
 1974年の気候変動に関する米CIAレポートをもとに、寒冷化の要因と、そこから派生する諸問題と対策を取りまとめたノンフィクション。20年前の科学的知見と現在の知見との差がよく分かって、興味深い。「インパクト・チーム」が米国のいったい何者かはどこにも書かれていないのは不思議。

●「大放浪(1980.12、田中光二、徳間文庫)
 主人公は、気象工学の学生で、マンモス・コンピュータを使って局地気候改変によりモハーベ砂漠を緑化するシミュレーションに取り組んでいる。=田中光二の地球・海洋SF

●「冷えていく地球」(1981、根本順吉、角川文庫)
 ノン・フィクション。

●「ケースD−見えない洪水 地球は21世紀を迎えられるか?」**(1981、糸川英夫+未来捜査局、角川文庫)
 1999年。異常降雨、猛暑、大赤潮の発生など世界で異変が起こりつつある。一方、国連は、増加する人口に対して、世界食糧充実計画と核融合開発を順調に進んでいると発表していた。ところが、国連筑波大学の歴史情報工学自主ゼミナールの学生たちが行ったシミュレーションでは、現状との間に矛盾のある結果が得られた。学生たちは、現在を最良のケースから最悪のケースまでA、B、C、Dの4ケースに分けてシミュレーションをやり直すことにする・・・。
 石油メジャーと穀物メジャーが世界にどのような影響を及ぼしているか考えさせられる。最後に凄いどんでん返しがあり、なんとパレスチナ問題を予言している!

●「南極大氷原北上す(1986、リチャード・モラン、扶桑社ミステリー)=リチャード・モランの気候変動SF

●「ザ スピリット オブ ワンダー(the SPIRIT of WONDER)」**(1986-88、鶴田謙二、1988、モーニングKCデラックス)西村屋選
 第0話「広くてすてきな宇宙じゃないか」と第5話「潮風よ縁があったらまた逢おう」は、温暖化で海面上昇した世界の日常生活を描く。ノーベル賞2回受賞の科学者を祖父に持つ難波舞子(キングマイマイ子)が主人公。ロックインロックアウト潜水艇<PODCAYNE>が登場する。

●『深海伝説−臥竜篇』**(1989、斉藤英一朗、ソノラマ文庫)西村屋選
 2152年、複合大気汚染が原因となって平均気温が2度C上昇。これによって内陸部の砂漠化が進み、南北両極の氷の大半が融け、海面が20m以上も上昇した世界。海上輸送の主力が天候に左右されない海面下に。PSDF(汎太平洋防衛軍)の<大鳳>(安全深度1200m、バイパス・エンジン、4200トン、巡航速度60ノット、最高速度80ノット(24時間)、深海探査・攻撃用小型潜航艇<D・V>を搭載)、海上浮遊都市”わだつみ”(W138度20分、N30度12分、伊豆諸島鳥島西方200kmに設置、直径約5.2km、正三角形を逆さまに重ねた六角星形。人口6万8千人、1/4がPSDFの日本基地)、謎の潜水艦<ウシャス>(電磁推進、涙滴型でやや扁平、潜航深度1820m以上、72ノット以上)が登場。
 「ベルトハイム帝国」の謎が解かれぬまま未完結となっている。あとがきに、著者が「海洋冒険ものを書きたい」と編集者に言ったら「ダメ、売れないから」と拒否されたエピソードが載っている。

●「水域」**(1990、椎名誠、講談社文庫)西村屋選
 地上60階以下は水没し、四季の変化は乏しくなり、表層海水が低塩分化してしまった世界。長さ5m、幅2mに満たない鬼曳舟「ハウス」に乗って漂流する青年ハル。彼は双胴のカヌーに乗った老人に出会って双眼鏡を手に入れ、水没することなく屹立するシェラトン・ベイホテルに上陸する。やがて大きな流木の島に流れ着き、そこで女性ズーに出会う・・・。
椎名誠「水域」の特異な生態系

●「地球防衛少女イコちゃん−大江戸大作戦」(1990、角川メディア・オフィス・バンダイ・リバートップ)
 21世紀、エイリアンや怪獣から地球を守る地球防衛組織LTDTが組織されている。ある日、UFOが成層圏で爆発し、オゾン層が破壊される・・・。

●「大潮の道」*(1991、Stations of the Tide、マイクル・スワンウィック、ハヤカワ文庫SF)
 ヒューゴ賞、ネビュラ賞受ダブルクラウン。プロスペロ星系の植民惑星ミランダは、周期的に極地の氷が融けて陸の大半が水没する。それに伴って動物の大半が二形性、2つの異なる形態に変化する。海中で暮らせるように人間を変化させられるとのテレビCMを流す男を、テクノロジー管理局の担当官が追う・・・。地球科学的な内容はない。

絶版本を投票で復刊!

●「メルトダウン(北半球水没!)」*(1991、マックス・マーロウ、創元ノヴェルズ)
 北大西洋の中央海嶺での大噴火によって大津波、大量の火山灰が北半球の文明社会を襲う。寒冷化ではなくアッシュ・クラウドが温室効果として作用する設定になっており、海氷や永久凍土の融解による海面上昇、アッシュ・クラウドが消えた後の荒天により翻弄される社会を描いている。

●「リバイアサン1999」*(1993、景山民夫、角川文庫)
 ジェームズ・ラブロックの「ガイア仮説」を拡大解釈した地球意思の存在を前提とした大異変もの。拡大軸での火山活動激化、磁場消失・逆転などはともかく、グランドクロスが引き起こすポールシフト(地軸の変化)まで盛り込まれていて、「地球SF」としてはお奨めできない。

●「大暴風」**(1994、ジョン・バーンズ、ハヤカワ文庫、上下巻)西村屋選
 2006年、人間の感覚をスカルプネット(頭網)で中継するXVが登場。2014年、火星有人探査が実現。2016年、60マイル上空で爆発した爆弾によって全米政府・金融機関の電子記録の1/3が消滅する<フラッシュ>(大閃光)が発生。その直後にアラスカ自由国が米国から独立。NASAの自己増殖するレプリケータによる月面採掘実験が失敗し、米国の有人宇宙探査の縮小が始まる。2022年布告により全アフロビアン(黒人種)が欧州から追放される。NOAAが発表した地球環境警戒5カ年アセスメントがXVのせいで世界暴動を引き起し、900万人が死亡、NOAA長期予報課が閉鎖される。
 2028年、シベリア連邦がアラスカの所有権を主張し、北極海の6カ所に抑制型弾道ミサイルを配置。その発射が試みられるのを検知した国連平和維持軍は、国連宇宙局UNSOOの25機の宇宙機をスクラムジェットで打ち上げ、計100発以上のCRAM−圧縮放射反物質−爆弾(反中性子ベリリウム爆弾)をアラスカ北部ノーススロープ沖に打ち込んだ。
 これによって、北極海の海底に厚さ50フィート、幅65マイル、全長400マイル以上のクラストレート化合物の層が崩壊し、1730億トンものメタンが大気中に放出された。これは2028年の大気中メタンの約19倍、1992年時点の約37倍に及んだ。
 米国で唯一残った宇宙ステーション<コンスティチューション>のルーイ・タイナンは、海上に吹き出したメタンにレーザーで点火・燃焼させるが焼け石に水。温暖化が急進し、海水温が台風の発達する27.5度Cを越える海域が拡大する。太平洋中央部で人類史上最大のハリケーン<クレム100>が発生。目の直径が約8km、中心部の風速220ノット近く。高さ140mの波が発生し、ライン諸島キングマンリーフの北アメリカ軌道サービス社NAOSの大型衛星(モンスター)打ち上げ場が破壊された。カロリン諸島とマーシャル諸島で数百人の犠牲者、サイパン島、インドネシア、南鳥島を襲い、北緯30度を越えても勢力は衰えることなく東へと針路を変える。
 <クレム100>は巨大な噴出ジェットによって予測不可能な進路を取る。ミッドウェイ諸島、ハワイ諸島を襲い、死者は数百万人に及ぶ。風力12以上の暴風圏は直径3000km近くに及ぶ。最大風速は竜巻並み、音速の半分前後の風力46、146m/秒、330マイル/時。目の直径は140km。<クレム100>のジェットはさらに1000km離れた海面に<クレム200>(クレメンタイン)を産み出す。<クレム200>はメキシコのテワンテペク地峡を抜けてメキシコ湾に入り、猛威をふるいながら子を産みだしていく。
 海面温度を下げるため、「クリーグの風船計画」:ハリケーンの被害のため唯一打ち上げ可能なシベリアのロケット発射場を用い、何千個もの強化ポリフィルムの風船を極軌道に投入する方法、そして、「巨大な白い艦隊」:カイパーベルトにある彗星2026RU(直径790マイル、太陽から56.23天文単位)を地球のラグランジュ点に運び、そこから円盤状の氷(質量200万トン、幅1マイル)を次々と昼間側の大気中に投入して日射量を下げ、夜間側で温室効果とならないよう水素と酸素に分解する方法が計画された。
 <コンスティチューション>のルーイはテレプレゼンス(遠隔存在)によって月面のレプリケータを再稼働させる。ルーイの複製ともいえる"ワイズガイ"(生意気なやつら)たちは、月にある日本とフランスの基地を解体し、その資材で<コンスティチューション>を深惑星探査船<グッドラック>に改造する。さらに自己増殖型工業コンビナートが産み出す資材を電磁カタパルトで<グッドラック>に向けて射出する。<グッドラック>は月から伝送された数ギガワットの電力で物質を反物質に変換しヘリウム3-IIと反応させ光速に近いヘリウム3の噴流を推進力とする。さらに、月から射出される資材の流れを<グッドラック>の電磁ブレーキで減速させるたびに<グッドラック>は4Gの加速を受けて2026RUに向かう。
 シベリアのロケット発射場にまつわるスキャンダルによって第2次世界暴動が起こり、<クレム114>はバングラディシュを壊滅させ、2億5千万人が死亡。ルーイは2026RUへの到着を早めるため、<グッドラック>を自分の肉体が耐えられる以上に加速させることを決意。<クレム650>は日本、香港、マカオなどで5億人を死亡させる。<クレム100>の目は直径350km、最大風速250m/秒(マッハ0.7)。長く伸びたジェットはメキシコ湾内に<クレム900>を産み出し、それは暴風圏1600マイル、中心気圧530ミリバール、最大風速はついにマッハ1を突破。噴出ジェットは海水をも巻き上げ、周りにぶちまけ始めた・・・。

 反物質燃料で動く潜水可能型ヨットが登場。ハインライン「獣の数字」に登場する連続体飛行機ゲイ・デシーバーにちなんだエピソードが登場。  温暖化によって台風被害が増えるか否かは最近のモデル研究での課題となっていて、台風による擾乱で海面水温が低下するなどの効果によって、どうやら、台風の数は減りそう。

●「氷の帝国」*(1994、リチャード・モラン、扶桑社ミステリー)=リチャード・モランの気候変動SF

●「氷河期を乗りきれ」*(1995、リチャード・モラン、扶桑社ミステリー)=リチャード・モランの気候変動SF

●「ヨコハマ買い出し紀行」*(1995-2003-, 芦奈野ひとし、月刊アフタヌーン(講談社)連載中)New
 海面上昇した近未来の三浦半島が舞台。水棲人らしきミサゴさん、海面効果翼船が登場。
=>ヨコハマ買い出し紀行Sopranissimo(BAB個人サークル「だって、好きなんだもん」泉 英智さんのサイト)
=>西風(karu-manさんのヨコハマ買い出し紀行ファンページ。いろはに工房より)
=>ヨコハマ買い出し紀行(masterpieceさんのサイト)

●「神々の指紋」*(1996、グラハム・ハンコック、翔泳社、上下巻)
 地球科学あるいは古環境・考古学への関心を高めることに大いに貢献した作品。ところが、実はかなり悪質な本であるらしい。
 例えば「また死んだマンモスの胃の中から未消化のイトシャジン、キンポウゲ、スゲ、豆などが見つかっています。そのような植物は今のシベリアやアラスカでは育たないものです。」という記述があるが、イトシャジン、キンポウゲ、スゲ、豆は今のシベリアで育っている。
=>(行方不明)”「神々の指紋」−真実か?デタラメか?−
=>”『神々の指紋』批判のページ
=>”「神々の指紋」の超真相
=>”神々の疑問
=>『神々の指紋』と『創世の守護神』の嘘を暴く
 このことをなぜ多くのマスコミ、評論家は見抜けなかったのだろうか? それはおそらく、古環境の専門家が読めば地球科学上の虚偽は分かっても考古学部分の真偽は分からず、他方、エジプト古文書の専門家が読めば考古学上の虚偽を見抜けても地球科学部分の真偽は分からなかったためではないだろうか。
 さて、この作品をフィクションとして読めば、これだけ壮大でスリリングなSFはないと思ったのだが、私の同僚のS氏は、SFとして読んでもなんら新しいアイデアがないと手厳しい。つまり、地軸移動、惑星直列にしろ、超科学モノの愛好者なら誰でも知っている内容ばかりだという。

●「AO6−青の6号」**(1997、小澤さとる、世界文化社、オゾン層破壊により紫外線が増加)/「青の6号」(ビデオ版、核爆発で南極ロス氷棚を崩壊させで海面が上昇。南極の地殻も上昇。マントル中層脈流に達するポールシフト誘因装置”超磁力システム”でバンアレン帯を消失させようとする。)/「青の6号 Graphical Would」(2000、角川書店、設定資料集)/ねこ版「青の6号西村屋選小澤さとるのUnder Sea Would

●「AIKa」(1997、西島克彦&山内則康)New
2016年の地殻変動により関東地方の大部分が海に没したときから20年。水没した都市から潜水器を使って海底に没したデータや物品を回収するサルベージ業「サルベージャー」という職業が生まれていた。その一つK.K.コーポレーション(けいつうこーぽれーしょん)の社長相田郷造とベテラン社員で凄腕のサルべジャーである皇藍華(すめらぎ あいか)は、昔はいろいろ危ない橋を渡っていたが、ある時郷造が大怪我をしたことを切っ掛けに裏家業から足を洗いまっとうなサルベージャーに転身を図る。
 藍華は郷造の娘りおんと某国政府機関より依頼された仕事を進める内、人類抹殺を企てる陰謀に巻き込まれていく・・・。
 佐久間レイの艶やかな声も素敵ですが、故・塩沢兼人演じるハーケン博士の妖しさは耽美の香りが濃く漂うものです。またハーケン艦はハーケン博士以外みーんな美人のおねーさんばかりという羨ましい艦橋、じゃなかった環境だったりします。
 なお制服は士官が白、下士官が青そして水兵は黒と区分されていますが、何故か砲術科の人間はピンクだったりします。(by MOON○LIGHTさん)
=>AIka

気象精霊記シリーズ(清水文化(ふみか)、富士見ファンタジア文庫)=清水文化の気象精霊記シリーズ
・「気象精霊記1:正しい台風の起こし方」**(1997)
・「気象精霊記2:爆弾気分の低気圧」(1999)
・「気象精霊記3:うかれ頭とサクラン前線」**(2000)
・「気象精霊記4:海底火山とラッコ温泉」(2001)
・「気象精霊記5:思惑違いの流星豪雨」(2001)
・「気象精霊記6:お月見試験とホゴ活動」(2002)

●「アトランティスを発見せよ」**(1999、クライプ・カッスラー、新潮文庫、彗星衝突で地殻転位が起こったとするグラハム・ハンコック「神々の指紋」をモチーフとした作品。ロス海棚氷を切り離すことで自転軸を狂わせるという計画が登場。)=ダーク・ピット・シリーズ

●「君が教えてくれたこと」(2000、TV)
 ともさかりえ主演の自閉症の気象予報士の物語。
=>君が教えてくれたこと

●「天気予報の恋人」(2000、TV)
 バツイチの気象庁主任予報官、シングルマザー、FM局の恋愛の悩み相談番組パーソナリティーの3人の物語
<=天気予報の恋人

●「ラニーニャ」(2000、新潮、伊藤比呂美)
 エルニーニョとラニーニャの話題で始まるが、気候変動とは無関係。

●「パーフェクト・ストーム」(2000、米映画)
 1991年10月、北大西洋でハリケーン"グレース"と寒冷高気圧と爆弾低気圧が合流、30mもの波が発生している。
公式ホームページ(当時のデータや解説が載っている。)

●「Blind Waves」**(2000、Steven Gould、Tom Doherty Associates Book、地球温暖化で海面が30m上昇した世界)西村屋特選!海上浮遊都市

●「A.I.」(2001、スタンリー・キューブリック遺作、スティーブン・スピルバーグ脚本・監督、米映画)
 本物の人間になって母親に愛されたいと願う人工知能ロボットが主人公の未来のピノキオ物語。ハーレイ・ジョエル・オスメント君の演技が感動的。地球温暖化による海面上昇によって水没したマンハッタンが登場する。その2000年後、氷河期により凍結したマンハッタンも。

●「新旭日の艦隊 FINAL」−安田忠幸画集(2001、中央公論新書)
 荒巻義雄作のパラレルワールドでの太平洋戦争シリーズの最新版「新旭日の艦隊」のイラストレーターによるイラスト集。このシリーズはかなりSFっぽくなっていて、電磁推進を推進器とする<レヴィアータン>(核力推進=原子力?)、<新日本武尊>(やまとたける、トリウム溶解塩炉)、<須左之男>(すさのお、核融合エンジン)などが登場する。
 挿入されている荒巻義雄の書き下ろしには、パナマ運河に置かれた気象兵器によって北大西洋海流が停止し、ノルウェー沿岸までが氷結すること、第三紀〜第四紀の地球環境の変遷、ビリー・レイスの海図にある南極大陸文化説がプレートテクトニクスや人類考古学と矛盾していることまで書かれている。
=>趣味読本情報shc1stさんのサイト

●「クライシス・ブルー」(2002、がる〜)New
 地球の温暖化現象は加速度を増し,数々の異常気象、海面上昇、海流の停滞現象が起き海洋資源にも多大な影響をおよぼし始めた時代。「海を故郷にしよう」をスローガンにOHA(Ocean Home Association)が結成され、そこに所属する海洋調査用潜水艦<ルビーマンタ号>が活躍する。
=>クライシス・ブルー(がる〜さんの電脳庫密倶より)

●「ARCHIMEDEAN DYNASTY-Silent & Slap fight in Deep and Dark sea.」(GISHIKINEKO)New
 ゲーム。21世紀、人口増加と資源不足のため、深海への進出が世界的ブームとなった。一方、温暖化によって南北の氷が溶け、急速な海面上昇が進行。インドがパキスタンに放った核ミサイルが世界的な核戦争を引き起こし、人類は唯一残された深海に逃げ込む。
 そして数百年後、人々は海の底に「アクア世界」といういくつかの国家や共同体を作って生きている・・・。
=>ARCHIMEDEAN DYNASTY

●『くるりくる!』(2001、花田十輝+ひよひよ、集英社、ワニブックス、COMICガム掲載)New
  一年前、“ノアの日”と呼ばれるその日、突然降り出した止まない雨によって東京は大洪水にみまわれ水没した・・・。
=>くるりくる!
=>くるりくる! でする来襲

●『ストーンエイジCOP−顔を盗まれた少年』**(2002、藤崎慎吾、光文社、カッパブックス、地球温暖化とヒートアイランド現象で亜熱帯化した首都圏が舞台)=藤崎慎吾

●「まんてん」(NHK連続テレビ小説、マキノノゾミ脚本、放送2002.9-2003.3)
 バスガイドに就職するも挫折。祖父の漁業を手伝う屋久島の女性まんてん。「青くて丸か地球を見たい」と宇宙飛行士になる夢を抱き、やがて気象予報士となったまんてんはついに宇宙飛行士となって国際宇宙ステーションから気象予報を行う。降雨レーダーも搭載される。

●「氷の世紀」(2004?、夢宇 宙、オンライン小説)New
 2年前に気象庁に入庁した流久氷也が主人公。
=>氷の世紀
●「アイ〜光と水のダフネ〜」(2004、士貴智志、Young Kingアワーズ掲載)New人工島・海底基地

●「サイレントワールド セカンド・アイスエイジ」(2004、UFO)/「サイレントワールド2」=極域・氷期

●「デイ・アフター・トゥモロー」(2004、監督:ローランド・エメリッヒ、2004.3.5日本公開)New極域・氷期

●「深海の大河 セス・コルトン シリーズII」(原作2003、エリック・ローラン、小学館2004)
 エルニーニョ現象が激化し、温暖化によって海底メタンハイドレートの融解が進む。トライデント原潜<オハイオ>が水深7852mの海底からのメタンの噴出に巻き込まれて爆沈する。実は、地球規模の異常気象を起こす環境急進派のマッドサイエンティストが南太平洋の水深9200mの海底に基地を建設し、グリーンランド海流を操ろうとしていた。ケルマディック海溝を北上する深層流を東太平洋海膨の中軸谷に流し込むことによって、海洋コンベアベルトを停止させ、劇的な気候変動を招いて増長した人類を減らそうとする・・・。
 こういう方法ではグリーンランド沖や南極大陸周りの沈降は止まらないと思うのですが。
 この海底基地には258隻もの輸送用、発掘作業用、基礎工事用、掘削用、地球物理学的監視用、警備用、迎撃用の潜水艇がある。特に15隻の迎撃艇A-2型艇は水を利用した推進装置によってなんと超音速、時速1500〜2100kmで水中を航行する。空中での音速が1105kmなのに対して水中音速は時速300〜400kmと変な記載がある(本当は5倍近い時速5400km前後)。誤訳か? それとも水中衝撃波の速さを言ってるのか?。

●「ウインド・フォール」(UFO作品?、2003/07/25発売)
 台風「ブレンダ」

●「深海蒐集人」(2002-2004、かまたきみこ、朝日ソノラマ、2巻)
 50年前に温暖化で多くの都市が海中に沈む。ほとんどの人々は家も家財も捨てて海上生活に。いずれ引き揚げて使えるようにと家にも家具や書物にも防海水腐食処理を施していた。なんと海中で電灯が付く。
 主人公ミミ・ジョーンズは、海に適応するよう肺と筋肉が進化したA級ダイバー。海中に30分、浅いところなら50分も息継ぎせずに潜ることができ、主に図書館からの依頼で歴史的価値の高い書物や美術品をサルベーシする仕事に就いている。
 バイザーから出るソナーの反響を映像化してバイザーに投影する「ソナーバイザー」や遠隔操作潜水艇<ジェイソン13世>がちらっと登場。

●「アクアキッズ」(2004に日本でTV放送)
 テレビ東京系 毎週木曜18時〜 韓国製のフル 3D CG アニメーション。
 環境破壊で極地の氷が溶け、大陸のほとんどが水没した近未来の地球が舞台。水中から酸素を得るバブル・テクノロジーが発明され、水中都市、水中移動用ロボットなどが発達する。失われた海底文明アーク遺跡が発見される。(by 乾杏子さん)
=>公式サイト

●「異常気象売ります」(2006.10、上下巻、シドニィ・シェルダン、アカデミー出版)
 あまり期待せずに買ったが、一応、一流の気象学者が次々と謎の死を遂げるところから物語が始まる。2人の未亡人が、高度な情報処理技術を駆使するシンクタンクの陰謀に、知恵で立ち向かうというもの。
 気象学者たちが研究していたのは世界のあらゆる場所で異常気象を作り出すことのできる衛星マイクロ波レーザーなるもの。

●「タクティカルロア
 およそ100年後の世界。その50年前に西太平洋で巨大低気圧/停滞性台風「グランドロア」が出現。強烈な低気圧による海面上昇が沿岸都市や低地を浸水させ、大気の熱循環を狂わせ、深層海流を捻じ曲げ、のちに「ケースオメガ」と呼ばれる地球規模の大災害を巻き起こした。
 太平洋沿岸から大量の難民が生じ、海上都市やメガフロートに難民キャンプが設置されるが、抜本的解決が図られぬまま海賊化し、やがて海上国家創設を信奉するテロ組織をも生み出す。
 海上交通を守る民間護衛ビジネスが成立。そのひとつ、「haru-nico警備保障」に所属する女性クルーだけの護衛艦「パスカルメイジ」を主役メカとする物語。「グランドロア」は重力異常を伴い、外側は通常の台風と同じ反時計回り、内側は時計回りという2重構造。人為的な起源が疑われているが、その正体は不明。
 「パスカルメイジ」は船齢50年のフリゲート艦を改造したという設定。水素を吸蔵する液化メレジン水素ガスタービン、電気駆動コルトノズル推進ユニット・超伝導プロパルサーとウォータージェット推進。管理及び緊急解決処理システムSURTシステム「MOW」

(パスカルメイジの乗組員)
凪宮漂介:小笠原技研の技術系スタッフ、17才。
美咲七波:艦長/二等海佐。マーキュリーズの一人。21才。
綿摘翼:VTOL哨戒機「カモメ」のパイロット。飛行長/三等海佐。16才。
深水さんご:統括機関長/三等海佐。17才。
海里美晴:CICの情報処理・作戦立案担当。情報統括長/三等海佐。13才。
阿古屋真秋:観測長/一等海尉。15才。
阿古屋真夏:通信長/一等海尉。15才。実験好きな科学者タイプ。
ターニャ・L・コジマ:副長。マーキュリーズの一人。21才。
クレイオ・アクアノート:砲雷長/三等海佐。22才。
島原看取:衛生長/三等海佐。医療免許を有し、手術からカウンセリングまでを手がける。既婚者で夫とは別居中。25才。

●「ジェミニの方舟―東京大洪水」(2008.7、高嶋哲夫、集英社)
 二つの台風が合体し、巨大台風となって東京を直撃

●「スーパーストーム」(2007、NHK/英BBC/米Discovery Channel/独ProSieben国際共同制作)
 「天候改造オペレーション」を髣髴とさせる内容。地球温暖化が進む中、年々、巨大化するハリケーンの被害を避けるため、飛行機でハリケーンの中でヨウ化銀を“種まき”のように投下し、海面温度を降下させ、ハリケーンの力を弱め、その進路を変えることが試みられる。ところがそれが原因で飛行機は墜落してしまう・・・。


=「極域・氷期SF」へのショートカット

=>海面上昇による海岸線の変化の様子(Takashi Komatsuさんのサイト)

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