=「海洋モンスター」へのショートカット
=「人魚姫伝説」へのショートカット
=「イルカとクジラ」へのショートカット- ●「深海潜航」(深海にて)(In the Abyss、1896、H. G. ウェルズ、1978、旺文社,角川文庫「タイムマシン」に収録)/「海底のふしぎな都」(抄訳、ジュニア版世界のSF「火星人襲来」に収録)
- アトランティス25ページの短編。砲艦<雷鳥号(ブターミガン)>の船尾から大砲の弾丸のような不思議な形をした潜水球が投入され、水深(8047m?)5マイル以上の海底に到達。そこには疑似人間とその都市があった・・・。
球体は鋼鉄製で外径約9インチ(23cmは変。厚みの間違い?)。重量12トン(錘を含む)。丸窓が2つ。うち一つはハッチ。マイヤース装置で炭酸ガスを吸収。耐圧球の下から600フィート(183m)の麻綱で錘がぶら下げられていて、耐圧球と錘を投入すると自由落下。錘が先に海底に着くと潜航が停止し、麻綱が巻き取られる仕組み。海底で30分経ったら麻綱が切断されて浮上する。- ●「海からの襲撃者(The Sea Raider)」(1896、H. G. ウェルズ、1961、「来たるべき世界の物語」ハヤカワSFシリーズより、1970、創元推理文庫)
- 未知の人型海棲生物群が、英国の海岸に上陸し人間を襲撃し出した。海上ではボートが転覆させられ、乗員が姿を消した。
by 少年少女海洋冒険物語(sayalautさん)
- ●「アビス」(ウェルズ)
- 深海底の腐肉を食らう類人が出てくる。角川文庫版などの翻訳版がありましたね。(by 永瀬唯さん)
- ●「マラコット深海」**(1923、コナン・ドイル、漫画版:1978、桑田二郎、主婦の友社)
- 「シャーロック・ホームズ」シリーズのコナン・ドイルが「失われた世界」など4冊のSFを書いており、その一つ。
マラコット博士らが海洋調査船<ストラッドフォード>から吊した鉄製の箱で大西洋の海底の噴火山の上、水深540mを探検中、巨大なザリガニ状生物マラックスにケーブルを切られ、8113mの海底に落下。8000年前に沈んだアトランティス大陸の末裔たちに出会う。
ある深さ以上は圧力を打ち消す作用が働き、分厚く堆積した有機物の分解に伴う燐光で明るいという設定。ひどく妙な格好の「ブランケット・フィッシュ」、半有機体、半気体性で知性のある「プラクサ」、海なめくじ属で電波で相手を殺す「クリックスコック」、ピラニアのような「ハイドロプス黒小鱒」、長さ60m以上の海蛇、半エーカーほどの大きさの大ヒラメ、深海の竜巻などが登場。マリン・スノーなど深海底の描写が驚くほどリアル。海底で測深錘の落下を目撃する視点がおもしろい。- ●「両棲人間第一号」(Chelovek-Amfibiya(The Amphibian)、原作は1928、アレクサンドル・ベリャーエフ、1957、翻訳:木村 浩、講談社 少年少女世界科学冒険全集 17、「イルカに乗った少年」)/(1962、ソ連映画、監督ジュナディ・カザンスキー)
- インディオだけを診察する天才的外科医、サルバトール博士の手術によって水中で呼吸できる両棲人間となった少年アンドレ/イフチアンドル(端整な美しい青年)の物語。第一次世界大戦が終り、世の中が落ち着いた頃、アルゼンチンのブエノスアイレスのラプラタ湾が舞台。小型潜水艇も登場。
・真珠採りの帆船<メドゥーサ号>の船主で真珠採りたちのボスのペドロ・ズリタ(黒くて太い眉、もじゃもじゃしたヒゲ、浅黒い)、その母親ドロレス
・アラウカン族の老人バルタザール(若い頃は100秒潜っていられた真珠採りの稼ぎ頭だった。左足が不自由、立派な鼻、大きな目、細面)、その10才年上の兄のクリスト/クリストファー、養女のグッチエーレ(港町でも飛びぬけて美人、内気、青い目)、オルセン(金髪の大男、ボタン工場の貝の検査係)
・スイスの博物学者コンラード・ゲスナー、いんちき弁護士ドン・フロレス・デ・ラーラ、シュタイン教授(高名な科学者で外科医)、司教ファン・デ・ガルシラーソ、、ドイツの外科医ザウエルブルーフ博士、フランス人の有名な海洋学者アルマン・ヴァルボア
・イルカのリーディング、助手の黒人ジム
=>このごろ堂>細江ひろみのはまりもの>「両棲人間」(細江さんがロシア語の原著より翻訳)【相互リンク】- ●「The Green Girl」(1930, "The Metal Man and Others"より。ジャック・ウィリアムスン)
- 太平洋の不思議な海域に、浮遊的な知的植物生命体が住んでいた・・・。(by sayalautさん)
- ●「山椒魚戦争」(1936、カレル・チャペット)
- カレル・チャペットは「ロボット」の命名者でもある。進化した山椒魚たちが、熱帯の小島の入り江で鮫に脅かされながら細々と暮らしていた。ヴァン・トフ船長との友情、それを支援する資産家ボンディの援助によって、次第に居住地を増やし、各国が大規模な海洋土木に活用するようになる。山椒魚たちは、奴隷売買、人種差別など人類の歴史のようにさまざまな段階を経て、やがて人口爆発の問題を抱え、沿岸地域を水没させるという人類との戦争状態に入る・・・。
- ●『海底下の科学戦』("Undersea Kingdom"、1936、米映画、監督B・リーブス・イースン)
- 海底下にアトランティスの生存者がいて、地上征服を計画・・・。
=>generalworks
- ●「海底都市」(1940年代?、海野十三)=海野十三
- ●「キャプテン・フューチャー 挑戦!嵐の海底都市」(1941、エドモンド・ハミルトン、ハヤカワ文庫SF)
- 天才科学者カーティス・ニュートン(キャプテン・フューチャー)が生きている脳サイモン・ライト、全鋼鉄製ロボットのグラッグ、合成アンドロイドのオットーと<コメット号>で太陽系を駆け回るスペースオペラ。ほとんどが海洋に覆われている海王星が舞台。」岩群島にあるアムフィトライティ市。稀有貴金属のグラヴィウム
- ●『謎の大陸アトランティス』(「海底大陸アトランチス」)(Attack from Atlantis, 1953, 角川文庫、1961、映画, 1956, レスター・デル・レイ)
- 原子力潜水艦トライトン号は、テスト航海中に海底に隠れ棲むアトランティス人に捕らえられるが、アトランティスの都市には危機が迫っていた。
by 少年少女海洋冒険物語(sayalautさん)
=>generalworks- ●「大アマゾンの半魚人」(1954)
- =>SFシネ・クラシックス(エロの冒険者さんの素敵なあなたより)
- ●「昇天する箱船の伝説」(1956前後に大和新聞に連載、矢野 哲、SFマガジン1974年8月号)
- 第2時大戦中、日本は独の協力を得て、水深2000mの潜航能力を持つ画期的な潜水艦<試101号(X101)>を開発した。自動制御により20人でも操縦できる。1942年に独の秘密工場で完成。39人の乗組員を乗せた処女航海で失踪。実は破壊工作が続くなか、敵の爆雷攻撃で後部区画が浸水。怪しく光る水深2200〜2300mの海底で激しい潮流に運ばれ、いつしか明るい海面に浮上していた。
そこは海底の国「アトラン」だった。そこにはノアの洪水が起こるよりも昔、火星から地球に移住してきた人々がいた。<X101>の生存者15人は・・・。- ●「幽霊船」**(1957-58年、「少年」連載, 石森章太郎、1966、コダマプレス)
- 10万mの深海にあるアトランティスの海底魔王ボアは、ゴーレム0を開発した左巻博士らに手を貸して世界征服を企む。幽霊船長が率いるアトランティスの人々は幽霊船に乗ってその企みを阻む・・・。
- ●「第四間氷期」(1958、安部公房)=気候変動
- ●「海底人8823(ハヤブサ)」(1960、TV番組)
- =>ヒーローのあしあと(Matsu-Redさんのサイト。「単体ヒーローワールド」の中に海底人8823の紹介がある)*
=>Tet'z EDIT newsletter(てつらさんのサイト。海底人8823大好き!がある。)*- ●「海竜めざめる」(1958、"The Kraken Waken"、ジョン・ウインダム、ハヤカワ文庫SF、星新一訳)/「深海の宇宙怪物」(SFこども図書館3)
- 洋上で赤い光球の落下が相次いで目撃され、それらが水深7000m以上の海域に集中していることが判明。調査に向かった調査船や軍艦が次々と行方不明となり、ついには貨物船や客船にも被害が。そのうちに島や沿岸の街が海から来た謎の戦車に襲われるようになり、やがて、グリーンランドや南極の氷床の崩壊による海面上昇が始まる・・・。
最後まで敵が姿を見せないまま物語が進行する不思議な雰囲気。海面上昇についての記述が40年以上も昔とは思えないぐらいに科学的。テザード・ケーブル付きの有人潜水球<バチスコープ>、同じく無人の<テレバス>のほか、なんと自律型無人潜水機(日本が開発したとの設定)が対海底人?兵器として登場する。- ●「青い世界の怪物」**(1961、マレイ・ラインスター、早川書房)
- 漁船相手の電子機器、水中音響機器などを扱うジメネズ商会の電子技術者テリー・ホルトは、船舶の遭難、大量漁獲された魚から見付かった人工物、隕石の相次ぐ落下など、ルソン海溝で起きる数々の謎の事件に巻き込まれる。海洋調査船<エスペランド号>は彼の水中音響兵器を使って巨大イカと戦ううちに、もっと驚愕する事実に遭遇する・・・。
海底地形をマッピング可能な音響測深器、深海から上昇して巨大化する気泡で洋上の船舶の浮力を失わせる武器のアイデアが登場する。- ●「ソラリスの陽のもとに」(1961、ハヤカワ文庫SF)/「惑星ソラリス」(1972、ソ連映画)/「ソラリス」(2003、米映画)=火星・惑星改造・異星の海
- ●「エルンの海(Narrow Land)」 (1965、ジャック・ヴァンス、翻訳;浅倉久志、S-Fマガジン、1990/9)
- 水棲の生物エルンの、ある一体の生涯とその視点で人間を描いた作品。元船乗り作家ヴァンスらしい一編。(by sayalautさん)
- ●『War-Gods Of The Deep』(1965、映画)
- 半魚人と海底都市(海底火山のエネルギーを利用)が登場するらしい。
=>SFシネ・クラシックス(エロの冒険者さんの素敵なあなたより)- ●『海底大戦争』(1966、日米合作、東映映画)
- 海底基地でサイボーグを作って独裁帝国を築こうとするマッド・サイエンティスト。1)
学校から見に行った。潜水艦はかっこ良かったが、半魚人化手術のシーンが恐かったことを覚えている)
=>マンモス原潜(空想科学メカニック・イラスト博物館より) =>generalworks- ●「半魚人」(1966、楳図かずお)
- とっても怖かった。
- ●「青の6号」**(1967年, 少年サンデー, 小澤さとる、1999、世界文化社、水中で呼吸可能な改造人間が登場)=小澤さとる
- ●「流れガラス(ドリフトグラス)」(1967、サミュエル・R. ディレイニー(ディレーニ)、1979、サンリオ文庫「時は準宝石の螺旋のように」に収録、早川書房「ホークスビル収容所」に収録)
- 流れガラス(ドリフトグラス)とは、長く漂流していたガラスビンが銀化したもので、ビーチコーマー(漂流物収集人)には大事な宝物(山田海人さんのサイトを参照)。
場所は地球の未来、月と火星に植民地が芽生えた時代。国際水中事業団(アクアティック・コープ)が海底開発のため、鰓と水掻きを持つ両棲人となる人間を募集している。その手術は思春期前に行う。
海洋開発局の報告では、アメリカ沿岸で海中作業に従事している両棲人は75万人にのぼり、両棲人と陸人とはよき隣人として仲良く暮らしている。
水中事業団は、海底鉱山、農場、海底油井、鯨の飼育、化学物質蒸留プラントを動かすために、海底に大動力ケーブルを敷設している。260サイクルの電流が周囲の魚を追い払うために、危険な海溝を通過するルートにケーブルを通さざるを得ない。そのルートは、かつて突発事故で敷設に失敗した区域でもあった・・・。
カル・スヴェンソン:35才。両棲人の元深海計測士。18才の時に事故に会う。
アリエル:両棲人の生物学技師。16才。
トーク:新しいボス。19才以下。フィリピン人
ジョニ:アリエルの婚約者
ジュアン:カルの同い年の親友のブラジル人漁師。陸上人
=>書評- ●「ウルトラセブン第42話ノンマルトの使者」(1968)
- 海底開発センターの研究船<シーホース号>は大爆発して沈没。調査に向かった<ハイドランジャー>は海底開発基地が全滅しているのを発見する・・・。地球の先住民ノンマルトの海底都市が登場する。
=>ウルトラセブン・マニアックス
=>第17話 地底GO! GO! GO!: 地底を進む<マグマライザー>は深度1000mで火山の風穴のような空洞に出る。その先に地底都市が広がっているのをみつける・・・。
=>第21話 海底基地を追え
=>第42話ノンマルトの使者
- ●『ネモ船長と海底都市』(1969、映画、ジュール・ヴェルヌ原作)=ノーチラス号とネモ船長
- ●『海底都市』(1971、映画、アーウィン・アレン制作・監督)=アーウィン・アレン
- ●「わが赴くは蒼き大地」(1974:SFマガジン、1976.10:角川文庫、1999:ハルキ文庫、田中光二、通称"エラ人間"であるチヒロが登場)=田中光二
- ●「碧き波の下で」(1974、ゴードン・エクランド、F&SF誌'74年3月号、SFマガジン1977年3月号収録)
- 2つの大きな月を持つ、とある惑星。人類は数世紀前、反逆者を人体改造し、人魚族として海洋に追放。人魚族は地上族が必要とするシャルマー草を栽培し提供することと引き替えに、自由を得る。人魚族は一つのベースキャンプに100人〜200人が住む。食用魚ホーラン(全長16〜17m、最大25m)を飼い、数世紀も前には海底のガラスドームやコンクリートの建物が造られ、そこに地上族が暮らしていたこともあったが、もはや廃墟となっている。六つ足タコ(全長15m)、恐ろしいドラゴン・フィシュ(全長30m以上)、深淵に棲むゴッドリング(全長100m以上)
- ●「はるかなる朝」**(1975、週刊少年ジャンプ、JUMP SUPER AGE『はるかなる朝』に収録):アトランティス文明が大地殻変動に襲われ・・・=星野之宣
- ●「ニュー・アトランティス」**(1975、アーシュラ・K・ル・グィン、SFマガジン1977年10月号)
- 地球温暖化でマンハッタン島は干潮時で11フィート水面下となった時代。
- ●「ブルーシティー」(1976、星野之宣、JUMP SUPER COMIC、海魔<コノドント群体>、水棲人類が登場)=星野之宣
- ●「アトランティスから来た男」(1977、米TV、出版:1980、リチャード・ウッドリー、評論社、全4巻「よみがえる海底人間/宇宙からの侵略/未知の惑星生物/地球脱出」)
- ある男がカリフォルニアの海岸に打ち上げられているところを、ヘースティングズ岬にある海洋開発研究所"Foundation For Oceanic Research"のエリザベス・メリル博士に救われる。彼は手と足に水かきがあり、肺の部分には羽毛状の組織が層となっていて水中以外では24時間までしか生きられない。彼は記憶喪失の疑いがあり、マーク・ハリスと名付けられる。あらゆるテスト・データを国防総省のコンピュータWRW12000に入力すると「アトランティス大陸の最後の市民」との診断結果が出力された。彼は自分を救ってくれたエリザベスを信頼し、研究所の仲間と協力するようになる。
エリザベスの友人が艇長として乗り組んだ新鋭潜水艇の<シークエスト号>がマリアナ海溝で消息を絶つ。マークはそこでマッドサイエンティストのシューベルト氏と対決することとなる・・・。
その後はシューベルト氏から奪った潜水艇<Cetacean>を拠点として海洋開発研究所の仲間と一緒に、いろんな事件を解決していく。
<Cetacean>(ノベライズ版では<くじら号>)は、球形の耐圧殻を4つ繋いだ形。原子動力及び原子力を再利用する装置も付いていて、ほとんど無限の航続距離がある。最前部の球体は操縦室、2番目は気密室と減圧室、3番目は研究室、最後部の球体は病室及び調理室。
マークは海藻とプランクトンを食べ、コーヒーや酒は飲めない。「両棲人間」のイクチアンドルと違って、両手を体の横に付けた状態でドルフィン泳ぎする。どういうわけか漂着した当時からぴったりした海水パンツをはいている。
(登場人物)
マーク・ハリス
エリザベス・メリル博士
ダグ・バークレー博士
ミラー・サイモン博士:主任研究員
ウェス:イースタリー:艇長。やせぎすの長身、ブロンドの巻毛
ロス・ドレーク:気密室技師
デーブ(ドーブ)・フィッシャー:無線技師
=>generalworks
=>Cetacean, from Man from Atlantis!
=>MAN FROM ATLANTIS Cheat Sheet
=>The Man From Atlantis - The Episode Guide Archive
=>the Man from Atlantis>Fan Contributions: Ceatation Model -"Cetacean"(by 乾杏子さん)
=>アトランティスから来た男(多美子さんのMASHTEIより)
- ●「アトランティスの謎」(1978、映画)=ノーチラス号とネモ船長
- ●「アトランティス/7つの海底都市」(1978、英映画、プロデューサ:ジョン・ダーク、監督;ケビン・コナー)
- 19世紀末のカリブ海。船が巨大タコに襲われる。主人公らは、海底でアトランティス人に出会う。実は火星から飛来してきた小惑星。1)
=>感想- ●「サイレン戦記」(1979-80、ひおあきら、サンコミックス/朝日ソノラマ、月刊アウト)
- 海洋ロボットもので水棲人間が登場。
- ●「マリンスノーの伝説」(1980、松本零士、朝日ソノラマ、海中人類「海の民」が登場)=松本零士
- ●『のび太の海底鬼岩城』(ドラえもん、1982、藤子不二雄、映画)
- 『大長編ドラえもん』の第4作目。「ムー」と「アトランティス」の二大海底国が登場。ドラえもんの特殊な目薬によって、海底の遙か彼方まで視界が広がり、海溝などの雄大な地形が印象的だった。
=>海底鬼岩城(『藤子不二雄atRANDOM』 by T.YONEYAMA)
- ●「大漂流」(1984.12、田中光二、角川文庫、「怒りの大洋」第3部、人口エラを身体に埋め込んだダイバーが登場)=田中光二
- ●「ロシュワールド」(1984、ロバート・L・フォワード、ハヤカワ文庫SF)=火星・惑星改造・異星の星
- ●「ノンマルトの使者」(金城哲夫、1984、朝日ソノラマ「金城哲夫シナリオ傑作集」に収録)
- 海底開発基地が海底人ノンマルトから攻撃を受けた。しかし、ウルトラセブンの故郷では地球人のことをノンマルトと呼んでいた。
by 少年少女海洋冒険物語(sayalautさん)
- ●「2000年から3000年まで−31世紀からふり返る未来の歴史」(1986、B・ステイブルフォード、D・ラングフォード、パアーソナルメディア)
- 21世紀、温室効果による海面上昇で世界中が大きな被害。シベリアは肥沃に。日本は富士山の噴火等も重なって壊滅的被害。
22世紀、海面が2000年に比べて16m上昇したところで安定し、下がり始める。食料と燃料油のためのケルプ農場が世界中の沿岸に広がる。遺伝子工学処理したプランクトンを海域に展開。赤潮を克服。
24世紀末までに深海に増殖した海草が世界中の気候を穏やかにする。
25世紀後半、鰓、ケーソン病保護機能、特別な皮膚、水かき、水中の匂いの感覚機能、反響定位法などを備えた両性人間メールピープルが誕生。26世紀から繁殖。太平洋に首都ネプチューンを築く。バブルドームが発達。27世紀初めには海をメールピープルの国家とするよう要求。- ●「マーメイド トリップ」**(1989、垣野内成美、原作:平野俊弘、アニメージュ文庫)
- 水の故郷(くに)に住む水の民(ひと)。湖の浮き島が人間世界との接点となっており、3つの宝玉がその扉を開けてくれる。女王体制。尻尾はない。
- ●「アビス」(1989、映画、小説版はオースン・スコット・カード、角川文庫、未確認海中知的生物が登場)=海洋開発
- ●「ふしぎの海のナディア」**(小説版:1990、アニメージュ文庫、Nadia the Movie「海から来た妖精」)=ノーチラス号とネモ船長
- ●「Dark Whisper」**(1990、山下いくと、2000、電撃コミックス、加工体コヨミとオーリオールがエラを持っている)=海上都市
- ●「海帰線」**(1990、今 敏、美術出版社)
- 漫画作品。S県網手町の平津神社に代々伝わる”海人(うみびと)の卵”。60年後に海に還す約束で半人半魚の海人から預かったもの。そんな網手町で、町の活性化のために尾崎建設のマリンリゾートランド計画を推進する側と、漁民ら反対派との間で真っ二つに。そんな中で不思議な力を発揮する”海人の卵”が尾崎建設側の手に・・・。
=>海帰線
=>KON'STONE(今敏さんのサイト)- ●「ビーナスの目覚め」(1992、キャロル・エムシュウィラー、SFマガジン2003.9)
- 陸地は熱く乾燥し、両極にわずかな緑地があるだけ、多くの動物が海に回帰した星。そこに巨木が支配する星から一人の男がこの星に追放されてきた。男の乗ったボートは転覆し、この星の女に救われる。女(ゾウ/ビーナス)は長い髪のほかは体に毛がなく、豊かな尻を持ち、男(ザット・ワン/ザトワン/ズエサ/ザップ)は体中に毛が生えている。ザトワンはビーナスとの関係を足がかりにこの星をいずれは支配しようと考えるが・・・。
- ●「海棲獣」*(White Shark、1994、ピーター・ベンチリー、角川ホラー文庫)
- 「ジョーズ」や「ザ・ディープ」の作者による作品。
1945年、旧ナチスの生物学者エルンスト・クルーガーが生み出した生物兵器を運ぶUボートが沈没。1996年、大西洋中央海嶺4000mの熱水活動域で、化学合成による生命誕生を調査する潜水調査船が、沈没したUボートを発見。その中から謎の大型容器を引き上げるが・・・。
研究資金に苦しむ私立海洋生物研究所の所長サイモン・チェイスが主人公。米国じゃ研究所運営にこんな苦労があることがよく分かる。
- ●「ウォーターワールド」**(1995、映画、小説版は、マックス・アラン・コリンズ、徳間書店、主人公がエラを持っている)=気候変動
- ●「ヨコハマ買い出し紀行」*(1995-2003-, 芦奈野ひとし、月刊アフタヌーン(講談社)連載中、水棲人とおぼしきミサゴさんが登場)=気候変動
- ●「オーシャンガール」(1996年? TV)
- NHK教育テレビで放送されていたオーストラリア制作の海洋SFドラマ。クジラと会話できる不思議な少女ネリとオーストラリア海洋研究所(ORCA)で暮らす海洋生物学者の家族とのふれあい。ネリを狙う科学者グループの陰謀。
=>NOREO's Ocean Girl Page- ●「ACRI」(1996、映画、石井竜也監督)
- 監督は米米クラブのカールスモーキー石井。オーストラリアが舞台。人類は一度海に帰ったことがあるという「ホモ・アクアレリウス」仮説を唱えて学会から追放された佐古田教授(藤竜也)。今はオーストラリアの大学で教鞭を取りつつ、灯台の管理人として亡き妻の忘れ形見である娘と岬で暮らす。海原密(浅野忠信)は、恋人の亜久里(吉野公佳)と海に出て遭難し、2ヶ月後に自分だけが無事発見された過去を持つ。海原はその間の記憶の一切を失っていた。海原はオーストラリアで再び遭難し、1ヶ月後に漁網の中から発見されるが・・・。
海原の泳ぎはマーク・ハリスと同じく腕を体側に置いたドルフィン泳ぎ。この映画に登場する人魚は手が首長竜の前足のようなヒレになっている。
- ●「アトランティスを発見せよ」**(1999、クライプ・カッスラー、新潮文庫)=ダーク・ピット・シリーズ
- ●「太陽の王と月の妖獣」(2000、ヴァンダ・N・マッキンタイア作、ハヤカワ文庫SF)
- ネビュラ賞受賞の水棲人もの。1693年のヴェルサイユ宮殿が舞台。
「海の妖獣」と呼ばれ、セイレーンの歌を歌う。年に一度ある海域に集まって交尾中の妖獣たちの中から網で捕らえられる。二叉に割れた尾を持ち、髪を生やし、空気を吸い、人間そっくりだがグロテスクな手と腕があり、指には鋭く曲がった爪と水かきがあり、肌はマホガニーのようにつややかで、ガーゴイルのようにいかめしい顔の額と両頬には渦巻のような隆起があり、目は強い光を持つ美しい金色で、鼻は低くぺしゃんこで、犬歯が下唇の上にのぞいている。
- ●「アトランティス−失われた帝国」*(2001.12公開、ディズニー)=スーパー・サブマリン
- ●「New Atlantis: City Beneath The Sea」(2001、Earl E. Clark、IUniverse 2001)=人工島・海底基地
- ●「Fathom」(2001、米)
- =>公式サイト
=>翻訳(『アメコミくえすと』より)- ●「MYSTIC LIFE」(2001, たみとし、オンライン小説)
- たみとしさんのサイト"水野我楽多工房"より。深海の未知の生物が登場するオリジナル作品。相次いで無人小型深海調査艇の事故が発生。幾つかの触手を持つ生命体が発見される。触れ合うことで同化でき、知恵も栄養も共有し合えるアイアイ、アイ、オイ、ワム、バンク、ミニダルたち。マリアナトフでミスライ研究所の深海探査船<TAKO>が試運転を開始。女性パイロットのメリサを乗せて犬の散歩道と名付けられた峡谷を探査する。随伴する無人探査船<BEBE>。アイアイたちをイカが襲撃する。撃退されたイカは<TAKO>を襲い、<TAKO>は浮上不能となる。アイアイたちは・・・。
イラストが色彩豊かで美しい。特に青色の使い方が素晴らしい。【相互リンク】
=>水野我楽多工房>Mistic Life
- ●「さまよえる海」(2002、草上 仁、ソノラマ文庫、上下巻)
- 惑星ヴィニヤードには生きている海が存在する。環境保護主義の「水の党」が政権をとっているが、緑化事業など保護政策を裏切る旱魃や洪水に見舞われる。野党である「土の党」は水源正常化プロジェクトとして海のネット細胞を抹殺しようとしている。大手生物資源取扱会社のゼネラル・ブリーディング社はハンドラー(異星物訓練士)を派遣する。
この海は、自分の遺伝子をこの星の生物すべてに組み込み、必要な年月を経て自分が進化する必要が生じたら生物を海に呼び寄せて有性生殖を行うという進化戦略を採っている。
ゲノム・インプリンティング、スイッチング遺伝子としての吸着メチル基、微量金属成分探知機(核磁気共鳴装置+輻射分光クロマトグラフ+恒星成分アナライザ+遺伝子シーケンサ+高速蛋白増殖装置)などの用語が登場。
(登場する動物)
ヴィニーバット(ヴィニヤード・バタフライ)、オオイボイワシモドキ、オオドラゴンモドキ、カミツブシ、セグロトビエビ、トビウミヘビ、トビツノウオ(フライング・ユニコーン・フィッシュ/ヴィニヤード・スリム・マーリン)、トブトリモドキ、スナトビムシ、ハチウオ(両生魚類)、バッタウオ、バード・マーリン、ハネツキエビ、ハネトビエビウオ、ハマイナゴ、ハマミドリイソギンチャク、ヒカリイトミミズ、ホタルゴンズイダマ、モグリウオ、ラッシャウミドリ、ラングラームラサキハコウオ
(登場する植物)
ヴィンダワラ(極上の稀少野菜ビブラ・グリーンに変わる)、ホリーンダワラ、ビブラ・ブラック- ●「蒼い満月の夜眠りについた海で」(2002、NABE)
- =>蒼い満月の夜眠りについた海で (NABEさんの袋小路人情商店街の東小路出版より)
- ●「サラーキア/我が白銀のマーメイド」**(2002、永井豪、講談社ヤンマガKC、2001-2、別冊ヤングマガジン連載)
- 作者初の海洋ロボット・アクションもの。21世紀初頭、オゾン・ホールが全球を覆い、両極の氷が解けて陸の大半が水没した。地上に住めなくなった人類は、現生人類のまま海底ドーム都市で生活するものと、魚類の遺伝子を取り入れ巨大化した水棲半魚人とに分かれていった。
2071年、全海洋に勢力を拡大した水棲半魚人のデュゴン帝国は、大海殿(元の台湾沖)など各地の海底都市を滅ぼし始めた。海底都市マリ・ラメール(元の横浜沖)は、最後の切り札として戦闘用大型潜航艇−人魚型ロボット<サラーキア>(ローマ神話の海の女神)を開発。海底探査用を急遽改造したため、12才の少年少女2人しか乗り込むことができない・・・。
<サラーキア>の動力源はミューオン融合システム。ハイドロジェットエンジンと弾性推進機構(マッスルシリンダー結合組織)で推進。同型機として<アナヒータ>(ペルシア神話)、<グラ>(バビロニア神話)、<アヴァンティア>(ケルト神話)、<ティアマート>(メソポタミア神話)が登場。- ●「海洋叙事詩 Merveille」(、中村浩一郎、電撃文庫)
- メディアワークスが提供する参加型WEBゲーム&オンライン小説。
=>海洋叙事詩 Merveille
- ●「蒼い呼び声」(2005、乾杏子、オンライン小説)
- 主人公が高校二年の深見蓮、深見康明教授と香奈枝夫妻が3才の頃引き取って育てる。同僚の那神洋子とドイツ人ライカ・ワッセルマンの息子。高山助手、同級生の千秋、謎めいた美人サキ
=>蒼い呼び声
- ●「マーメイド・ヘブン」(2005、長谷川裕一、月刊ドラゴンエイジで連載開始、富士見書房、角川コミックス・ドラゴンJr. 2005.4で単行本化)
- 不治の病で人工冬眠を選んだ主人公、獅馬渡は、300年の眠りから目覚めた。そこは地球温暖化で陸地の大部分が水没し、高度な文明が滅びてしまった常夏の世界。目覚めさせたのはキカイ化帆船”大ぼら(ビッグフィッシュ)”号に乗り組む大海賊”血染めの人魚団(ブラッディマーメイド)”の4人の少女、シェルビー・ハーヴァーライト(船長)、”オクトパス”のヤッコちゃん(格闘技専門)、”クラブ(かに)”のハザミ(キカイいじり少々)、”グランパス(しゃち)”のオビュレ(兵士)。
この世界では海中に沈む”火薬”や”エアボンベ”や”キカイ”や”スーツ”などの遺跡を発掘して利用していたが、それには人工冬眠カプセルに眠る伝説の”玉子人間”の知識に頼らざるを得なかった。シェルビーたちは”ぴゅうた”を操作できる”ぴゅうた使い”を探していたのだった。
一方、この世界を支配するヴォースも”ぴゅうた使い”を探していた。ヴォースは ”世界を変える力を持つ”7つの旧文明のひとつ”白い遺跡”に封じられていた”水宝珠(アクアオーヴ)”の作り方を一部解き明かしていた。しかしヴォースの真の狙いは世界を滅ぼすこともできる巨大な”水宝珠”を作り出すことだった・・・。- ●「すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた」(1987?, ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア、2004年ハヤカワ文庫FT)
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1987年世界幻想文学大賞を受賞。メキシコのユカタン半島の東海岸、マヤ族の文化が色濃く残る一方でリゾート化の波が押し寄せているキンタナ・ロー州が舞台。以下の3編から成る。いずれも現地に長期滞在している米国人の老人(漂着物収集家、物書き、少動物の行動心理学の専門家?、ダイビングを嗜む)を一人称として書かれている。
・「リリオスの浜に流れついたもの」:バハロス岬から50キロの灼熱の道のりを歩いてきた米国人の若者。デイモンでプールの設計をしている。その思い出話。北の岬、リリオスの海岸、完全な凪ぎ、満月の夜、マストに縛り付けられた女性が漂着しているところを助ける。しかしその人は美しい声と美しい顔の若い男性だった・・・。
・「水上スキーで永遠をめざした若者」:友人のドン・マヌエル船長の思い出話。エビ捕り漁船<アンヘリケ号>の船長。アウドマーロ・コーという純血マヤ族の優秀なダイバー。水上スキーでコスメル島から本土までの横断に挑戦する・・・。
・「デッド・リーフの彼方」:「私」より何歳か若いブリティッシュ・ホンジュラス/ベリーズ人の白人男性の4年前の思い出話。死滅したサンゴ礁”デッド・リーフ”には潮流によって大量のごみが集積していた・・・。
- ●「水妖の森」(2006.4、廣嶋玲子、岩崎書店)
- 第4回ジュニア冒険小説大賞を受賞。
オボロ森(妖魔の森)の《青の湖》に棲む水妖の少女ナナイは、大人に脱皮(文字通り)するための儀式として、不得手な陸上を通って光り輝く《銀色の湖》に向かわなければならないところ、人間に捕まってしまう。この森には、《黒の湖》に棲む《暗き湖の主》、ばかでかい化け物魚ウラーが、唯一の糧である水妖を年に一度の機会に捕らえるため、《黒の湖》の島民を送り出していたのだった。
ウラーはある時汚染されてしまった《黒の湖》の唯一の生き残りで、水妖を食べた時だけ産卵し、それが孵った自分の子供をも食料としていた。ウラーは水妖を狩らせるため、卑怯にも島民の子供たちを人質にしていたのだ。普段はハザマ川をへだてたカワタキ森で暮らす主人公の少年タキは、《卵を狩る者》レンバーターだ。レンバル鳥は”真紅の王”とも呼ばれる凶暴な鳥で、その卵の殻は貴重な薬として高く売れるのだ。タキはめったに入らないオボロ森で捕らえられていたナナイを救い、《銀色の湖》に向かうが・・・・。
水妖、ウラー、レンバル鳥の生態がそれぞれ興味深く描かれている、貴重な子供向け作品。
- ●「甲殻機神ヤドカリくん」(1996初出、小野敏洋、ブッキング、2006.7)
- 2005年、海から来た怪しげな二人組みが、毎晩、大量のオデンを買い漁るという怪事件が。殻田巧(コオ)たちは、じっちゃん殻田源五郎の造った水陸両用ロボット<エビス丸>に乗って犯人探しをする。ところが、お隣で幼馴染のフッコがタコの一群にさらわれ、それを追跡するコウとエビス丸は、海底で古代遺跡を発見。
それはサメ型水棲人類ピストリク・イーレたちの深海帝国エヌマ=エリシュだった。水棲人類が開発した対人間最終兵器エンキドゥがコウたちを攻撃するが、エンキドゥとエビス丸が深海帝国の心臓部である時間反応炉ヌディンムドに誤って落ち込んでしまう。
その結果、2つが融合進化した新しい生命体が誕生してしまった。それはなぜかコウたちを助ける。深海帝国を脱出したコウたちは進化したエビス丸を「ヤドカリくん」(ヤっくん)と名づける。ヤっくんのカラはじっちゃんの発明したシェルテクターで飛行機や潜水艇などに変化可能。
さて、その先もいろいろ謎があって、ヤドカリくんの中にはなぜかバビロニア創世神話に出てくる天命の書版タブレットがある。のちに火星極秘ミッションでも同じ物が発見されている。始祖神アスプ(魚人タイプ)、創世神ティアマート(人魚タイプ)も登場する。古代遺跡も実は・・・・。
- ●「せんすいかん その1」(2006.7、水城正太郎、ホビージャパン、HJ文庫)
- 国家が国策として認めた天才が集まる女子校「聖バロウズ学園」。その中でもS〜Aクラスがあつまる2年A組水泳部のユニークな美少女たちと、15才だが天才ゆえに飛び級で大学を出て、新任教師として水泳部顧問となった美少年の物語。
半分以上読み進んでも学園や温泉の話しか出てこないので、ハズレかと思ったらさにあらず。終盤で沖縄を水没させるという半魚人たちの陰謀を主人公たちが阻止するために戦う。
「せんすいかん」とは、なんと「戦闘型水泳部完成形」の省略語。
(登場人物)
・園川さより:担任男性教師。先読みの天才。
・有島かじか:カリスマ性で他人を操る天才
・高沢すずみ:演技の天才。男同士の禁断の愛を描く漫画オタク
・壮めだか:地平線と空の間にあるインターゾーンのお姫様。だが誰も信じない。
・初芝こち:幽霊の天才
・愛好しいら:一升瓶をスポ−ツドリンクとして手放さない。
- ●「海獣の子供」(1及び2、五十嵐大介、小学館、IKKI COMIX、2007.8)
- 少女、安海琉花(アヅミ・ルカ)はなぜか周りからトラブルメーカーと見られている。小さいときに水族館でマンタが光になって消える「水族館の幽霊」を目撃する。
ルカはハンドボール中、自分の足をわざと踏んだチームメイトをヒジ打ちし、一方的に休部させられた。東京に遠出し、汐留で不思議な少年、海(うみ)に出会う。その頃、世界中の水族館で魚が光となって消える現象が相次いでいる。琉花の両親は離婚し、別居している父は江ノ倉水族館に勤務している。その水族館では全身刺青のジム・キューザックが、ジュゴンの群れに育てられた海と空の兄弟を預かっていた。二人は皮膚が極端に乾燥に弱い。
空は琉花が自分たちと同じニオイがするという。琉花を突堤の先に連れ出し、人魂/隕石の落下を見せる。その落下地点で季節はずれのザトウクジラが目撃される。
父に頼まれて水族館を手伝い始めた琉花。海と空に連れられてクルーザーボートで沖合いに出てボートが故障。そこでジンベイザメの群れに出会い、さらに発光現象「海の幽霊」を目撃する。
それ以来、メガマウスやリュウグウノツカイの漂着が相次ぎ、漁船の網にやたらと深海魚がかかるようになる。ジュゴンも目撃される。まるで海と空が引き寄せたようだ。そんななかで空が失踪した。そして大水槽の中のシノノメサカタザメが水族館員たちの前で光となって消えた・・・。
絵がうまい!
(登場人物)
江ノ倉水族館に勤める父、安海マサアキ、その手伝いをする。
別れた母、安海加奈子
フユコ
海:空とともにジュゴンの群れに育てられ、
ジム・キューザック:全身刺青。海と空の保護者。
ジャン・ルイ
アングラード:教授。ジムの弟子。
空(そら):特異点
- ●「深海のYrr」(ハヤカワ文庫NV、2008)/「THE SWARM」(英訳版、Frank Schatzing 姓のaはウムラウト)
- 先月ドイツを訪問した際に、ブレーメン大学でお会いしたBohrmann教授から日本人(メタンハイドレートの松本良教授、AUVの浦環教授)も登場して面白いからと1冊のペーパーバック(881ページ!)をいただきました。今日、やっと読み終わり、西村さんの要請もあり、ごく簡単に紹介します。
邦訳はまだなさそうです。ドイツではベストセラーで国際的に200万部以上売れたと表紙にあります。
読後の感想は、まずたいへんに面白く読み始めたら止められない。副題が「深部(海)の小説」で、たいへんにスケールの大きな、海洋地球生物SFです。
科学的にいいかげんなところがなく(現在の知見をフルに動員しているようである)、Bohrmannほかも実名で登場し活躍する内容です。
どういう話かは、言えません。言えませんが、海洋の生物、環境が異常を来し始めて、人間社会に影響をもたらし始めます。さまざまな性格の登場人物が、そのわけを探って行くうちに、とてつもない問題であることがわかってきます。問題を認識対処するのに、科学者がどういうものか非常にわかっている描写になっています。読むうちに、気候変動、海洋循環、プレートテクトニクス、極限環境生物、生物多様性、環境問題などがすべて関係してきます。そしてそれ以上の話です。言ってしまうと、私が経験した、読み進むうちの興奮が損なわれると思うのでここまでにします。(by K.S.さん)
・Molluscs/貝類、Zebra Mussel/カワホトトギスガイ/ゼブラ貝(イガイの一種)の新種ジエット貝
・ヘジオチェカ・メタニコラHesiocaeca methanicola/ 通称コオリミミズice worm/ methane-eater(Wiki), a polychaete/環形動物多毛類/bristle Worm/ゴカイ類(英Wiki、日Wiki), members of the Annelida phylum環形動物門, segmented worms
・ティラン・ネレイス・レックスTyran-nereis rex(メタンを食べる)
・カツオノエボシPortuguese men-of-war(Wiki/危険な生物)
・カツオノカンムリBy-the-wind sailor(Wiki)/ヴェレッラ・ヴェレッラ
・有毒渦鞭毛藻類/Pfiesteria piscicida(英Wiki、日wiki、フィエステリア・ピスキキダ, 渦鞭毛藻/dinoflagellate、米ノースカロライナ州で発見された藻類の一種。淡水で赤潮を作り出す。魚類を直接食べる。人間にも空気感染する、BSL3)/ Pfiesteria bomicida/ Algae:『腐海』で登場。Chrysochromulina polylepis
・ハパロクレナ・マクロサHapalochlaena maculosa/Blue-ringed octopus/ヒョウモンダコ(ヒョウモンダコ、ヒョウモンダコ、小型だが唾液に猛毒のテトロドトキシンを含む)
・Box jellyfish/ Chironex fleckeri/キロネックス・フレッケリ/ネッタイアンドンクラゲ科の一種/ハブクラゲ(英Wiki、日Wiki、Chironex fleckeri、猛毒クラゲ、ネッタイアンドンクラゲ、キロネックス、立方クラゲ類の仲間、箱クラゲ中最大種。直径25cm程度、60本の触手の長さが4.5mに達する。秒速1.5メートルの速度で海中を泳ぎ、24個の眼を持ち、発達した視力で魚類を追い、捕食する。)
軍事イルカ:ジョン・リリー/ルネ・ギィ・ビュネル(仏動物音響学研究所の所長)/レイ・カーツワイル教授
- (ペルー ウアンチャコ)
- ・ホアン・ナルシソ・ウカニャン/Juan Narciso Ucanan:漁師28才。
- (ノルウェー トロンヘイム)
- ・シグル・ヨハンソン/Dr. Sigur Johanson※:NTNU(ノルウェー工科大学、Norway's principal university for the science)の海洋生物学者。ノルウェー国営石油会社Statoil社の管理機構みたいなもののメンバー。56才。離婚歴あり。30才年下の心臓内科部門の研究助手と付き合っていた。その後、Tinaと友人関係。映画俳優のMaximilian Schell(Wiki)に似ている。高級ワイン好き
・ティナ・ルン/Tina Lund※:年齢?。Johansonの友人。white-blondeのストレートな長髪、長身でスリム。極めて活動的。料理はできない。Statoil社でどんどん昇進して探査・生産部門の副部長。SINTEF研究所(欧州最大の独立研究機関)Marintekに駐在。
・コーレ・スヴェルドルップ/Kare Sverdrup※:Tinaの新しいボーイフレンド、20代後半。魚料理レストラン〈フィスケフーセ〉のシェフ。
・ジャン=ジャック・アルバン/Jean-Jacques Alban:Thorvaldson号(独砕氷調査船ポーラーシュテルン号から借りた無人機Victor 6000搭載)の一等航海士。仏人
・ラーシュ・ヨーレンセン/Lars Jorensen:トゥールヴァルドソン号Thorvaldsonのヘリ等運航管理
・エディ/Eddie:Thorvaldson号の搭載DR 1002 Deep Roverのパイロット
・フィン・スカウゲン/Finn Skaugen※:Statoil社のManagement Board
・トゥール・ヴィステンダール/Thor Hvistendahl:Statoil研究センターの副部長
・クリフォード・ストーン/Clifford Stone※:Statoil社のプロジェクト・リーダー。Tinaの上司
・クヌート・オルセン/Dr. Knut Olsen:Johansonの友人の海洋生物学者。NTUTのフェロー研究者。Johansonとは対照的に家族を大事にしている。
- (ドイツ キール)
- ・ゲーアハルト・ボアマン/Prof. Gerhard Bohrmann:実在。メタンハイドレートの専門家、GEOMAR Centre
・ハイコ・ザーリング/Dr. Heiko Sahling:実在。ベルリン大学の海洋生物学者
・エアヴィーン・ズース/Prof. Erwin Suess:実在。GEOMAR所長。地球化学。
・イヴォンヌ・ミルバッハ/Dr. Yvonne Mirbach:GEOMARの深海微生物専門の分子生物学者
・ルーカス・バウアー/Dr. Lukas Bauer※:プロファイルフロートを用いた海洋大循環の研究者。ジュノー号でグリーンランド沖を観測。
・カレン・ウィーヴァー/Karen Weaver:科学ジャーナリスト、Bauerの研究助手。10歳の時に両親がダイビング中に行方不明となる。PRオフィス〈ディープブルーシー〉設立。
・レイ・カーツワイル
- (カナダ バンクーバー)
- ・レオン・アナワク/Dr. Leon Anawak:バンクーバー在住、31才。海棲哺乳類の生態学/知能の研究、イヌイッドの血筋。アル中の父親の暴力を受け、故郷を離れて養父母に育てられる。
・スーザン・ストリンガー/Susan Stringer※:ホエールウォッチング・ツアー会社のOffice managerで大学生。
・ロディー・ウォーカー/Roddy Walker:証券ブローカー。Susanのボーイフレンド
・トム・シューメーカー/Tom Shoemaker:ホエールウォッチング・ツアー会社の経営者
・デイヴィー:ホエールウォッチング・ツアー会社の共同経営者
・ロッド・パーム/Dr. Rod Palm:海棲哺乳類にテレメトリを付けて研究。シャチの専門家。ストロベリー島にある海洋観測所に所属。2人の子供と暮らしている。白い髭、禿げた額。
・サマンサ・クロウ/Dr. Samantha(Sam) Crowe:50代終わり。SETIの研究家。Ms. Alien、ヘビースモーカー
・アリシア・デラウェア/Alicia (Licia) Delaware※:赤毛の女子学生、Anawakのガールフレンドになると思ったら・・・。
・ジャック・グレイウォルフ/Jack Greywolf※:本名Jack O'Bannon、環境運動家。自称インディアンだがインディアンではない。のちに米海軍で海棲哺乳類の訓練係をしていた過去が判明。
・クライヴ・ロバーツ/Clive Roberts:実在。Inglewood社のmanaging director
・ジョン・フォード/Dr. John Ford:実在。バンクーバー水族館海棲哺乳類研究プログラムのディレクター。Anawakの理解者
・スー・オリヴィエラ/Dr. Sue Oliviera※:同Nanaimo生物学研究所の所長。声がハスキー。分子生物学者。
・レイ・フェンウィック/Dr. Ray Fenwick:カナダ海洋科学研究所Canadian Institute of Ocean Science and Fisheries。解剖の専門家
・ダニー/Danny※:弓の名手
・ジョージ・フランク/George Frank:カナダ・インディアンの大首長
・イジトシアク・アケスク/Ijitsiaq Akesuk:レオンの叔父、妻がMary-Ann
・マヌメエ・アナワク:レオンの父
- (米国 ショトー・ウィスラー)
- ・マレー・シャンカー/Dr. Murray Shankar※:SOSUSの主任音響技術者。NOAA。がっしりした内気なインディアン風、金縁メガネを掛けている。
・ジューディス・リー/Judith (Jude) Li※:General Commander、48歳。母親が中国人。自然科学の学位、政治と歴史のPhD。特技:ピアノ、チェロ、アイススケート。標準中国語、独語、仏語、伊語、スペイン語、日本語、韓国語が話せる。毎日エクササイズを欠かさない。VanderbiltからSuzie Wongとあだ名される。
・サロモン・ピーク/Major Salomon (Sal) Peak※:米海軍少佐。
・ジャック・ヴァンダービルト/Jack Vanderbilt※:CIAのChief、副部長。体重100キロ以上の汗っかき。
・ベルナール・ローシュ/Dr. Belnard Roche:微生物学者。フランス人。Pfiesteria bomicidaの発見者
・ミック・ルービン/Dr. Mick Rubin※:英マンチェスターから来た生物学者。Molluscsの専門家。Johansonは彼が苦手らしい。
- (米海軍インディペンデンス号)
- ・クレイグ・C・ブキャナン/Craig C. Buchanan※:Independence号のスキッパー。白髪
・フロイド・アンダーソン/Floyd Anderson:Independence号のFirst Officer
・ルーサー・ロスコビッツ/Luther Roscovitz※:潜水部門のコマンダー、Deepflight
・ケイト・アン・ブラウニング/Kate Ann Browning※:主任技術者
・シド・アンジェリ:インディペンデンスの医療センター責任者。小柄なイタリア人。- (その他)
- ・スタンリー・フロスト/Dr. Stanley (Stan) Frost※:火山学者
・ヤン・ファン・マールテン/Jan van Maarten:De Beers社の技術者。セミサブ型リグ”Heerema号”(Rambo、大気圧潜水服エクソスーツ、AUVトラックハウンド搭載)
・松本 良/Prof. Ryo Matsumoto:実在。名前のみ登場。メタンハイドレートの専門家
・浦 環/Prof. Tamaki Ura:実在。名前のみ登場。AUV”URA”の開発者。
・グラハム・ホークス:実在。名前のみ登場。ホークス・オーシャン・テクノロジーズ社のディープフライト
映画等:スターウォーズ、ジョーズ、ランボー、アビス、コンタクト、ディープインパクト、未知との遭遇、タイタニック、月の輝く夜(ニコラス・ケイジ)、ジャイアント(ジェームズ・ディーン)、アルマゲドン、E.T.、エイリアン、インディペンデンス・デイ、原始家族フリントストーン、みつばちマーヤの冒険、ターミネーター、マイケル・ケイン、メグ・ライアン、カッコーの巣の上で、ジャック・ニコルソン
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